データマネジメントの教科書

データマネジメントとは?メリットや進め方、成功させるポイントや失敗の原因をご紹介

作成者: 株式会社ユニリタプラス|Jul 28, 2025 7:24:53 AM

組織が保有するデータをいつでも戦略的に活用できるように、品質を保持しながら管理することを「データマネジメント」といいます。

デジタル技術の進歩が目覚ましい近年、競合他社に差をつけて組織のさらなる成長を目指すためには、データ活用が欠かせません。

データ活用への取り組みの一歩として、データマネジメントを導入する企業が増えているのです。

今回は、データマネジメントを行うメリットについて解説します。

導入の進め方や注意点、成功させるポイントや失敗する原因もご紹介しますので、ぜひご一読ください。

 

 

 

「データマネジメント」とは?

データ分析やデータ活用について調べると、「データマネジメント」という言葉をよく目にします。

そもそもデータマネジメントが必要とされる理由は、何なのでしょうか。また、データマネジメントは、どのような要素で構成されているのでしょうか。詳しく解説します。

 

データマネジメントが必要とされる理由 

データマネジメントを構成する11の要素 

 

■データマネジメントが必要とされる理由

データドリブンな経営を目指す企業が増えている近年、データマネジメントの需要が高まっています。

企業がデータマネジメントを必要とする主な理由は、以下の通りです。

 

データ量の増加:企業が抱える情報が増えたことで、収集・管理が難しくなっている。

ビジネスの変化の急速化・多様化:従来のExcelを用いた分析方法では、ビジネスの変化に追いつけないことから、迅速な意思決定が難しくなっている。

コンプライアンスとセキュリティの向上:個人情報保護法や個人データ保護規則などに対応するため、データ管理を厳重に行う必要がある。

AIやビッグデータ活用の推進:ビジネスモデルや業務プロセスにデジタル技術を用いるために、質の高いデータ活用基盤が求められている。

 

大量のデータを収集するだけでは、ビジネスに活用することはできません。

いつでも活用できる状態に整え、適切に管理しておくことで、初めて迅速な意思決定や業務効率化が実現できます。

データマネジメントは、組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で、避けては通れない取り組みだといえるでしょう。

 

■データマネジメントを構成する11の要素

データマネジメントを構成する要素は、「DMBOK」という書籍で確認できます。

DMBOK(Data Management Body of Knowledge)は、データマネジメントの知識をまとめたガイドブックです。

書籍の中で定義されている11の知識領域が、データマネジメントを構成する要素であり、必要な機能だと考えられています。

 

データガバナンス:データマネジメント全体の統制

データアーキテクチャ:データ活用方法の考案

データモデリングとデザイン:データの関連性のモデル化

データストレージとオペレーション:データベースの設計・実装基盤の構築

データセキュリティ:データ保護

データ統合と相互運用性:データ収集システムの構築・連携

ドキュメントとコンテンツ管理:非構造化データ(文書や画像など)の管理

参照データとマスターデータ:データの一貫性や整合性の確保

データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス:データ収集・分析の自動化

メタデータ:メタデータの収集・分析

データ品質:最適化したデータの品質維持

 

データ分析基盤の構築方法について詳しく知りたいという方は、下記ページをご覧ください。

関連ページ:データ分析基盤とは?構築のために知っておきたい構成要素や手順、ポイントを徹底解説

 

 

データマネジメントを行うメリット

ビジネスにおけるデータマネジメントの必要性については理解したものの、経営や業務にどのような影響がもたらされるのかイメージできないという方もいるでしょう。

データマネジメントを行うことで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。詳しく解説します。

 

 ①データ活用促進の土台ができる 

 ②迅速な意思決定が実現する 

 ③業務効率化が実現する 

 ④非構造化データを管理できる 

 ⑤データのセキュリティを強化できる 

 

①データ活用促進の土台ができる

データマネジメントを行うことで、データ活用促進の土台ができます。

デジタル技術の発展が目覚ましく、ビジネスの変化が激しい近年、同業他社と差をつけて競争の中で優位性を保つためには、データ活用は必須だといえるでしょう。

データマネジメントを導入すれば、組織内に散在する情報を収集・統合して、データ活用するための基盤が整います

今後、情報をビジネスに役立てるための基盤作りが行えるというのは、大きなメリットだといえるでしょう。

 

②迅速な意思決定が実現する

データマネジメントによって、組織が抱える情報が適切な形で管理されていれば、スムーズにデータ活用が行えます。

必要な情報を即座に見つけ出し、内容を確認できることで、迅速な意思決定が実現するでしょう。

データが適切な形で管理されておらず、人の手で情報の収集や統合を行うと、時間がかかってしまいます。

日々変化するビジネス環境に追随し、迅速な意思決定を実現するためには、データマネジメントが必要不可欠だといえます。

 

③業務効率化が実現する

業務効率化が実現するというのも、データマネジメントを行うメリットの一つです。

活用したいデータが、組織内で部門間をまたいで散在している場合、収集や統合には多くの工数を要します。

データマネジメントで一元管理を行い、すぐに活用できる形で整えておけば、「データを探し出して整理する」という手間を省けます。

業務の効率を大きく改善し、空いたリソースを他の重要な業務に充てられることから、組織のさらなる成長にもつながるでしょう。

 

④非構造化データを管理できる

データマネジメントを行うことで、構造化データだけでなく「非構造化データ」も管理できるようになります。

非構造化データとは、文書ファイルや画像、動画や音声ファイルなど、データベースのような構造化された形式で保存されていないデータを指します。

非構造化データには、データ活用に役立つ情報がたくさん含まれていますが、管理が行き届いていないというケースが少なくありません

データマネジメントを導入することで、より高度で、有用性の高いデータ分析が実現するでしょう。

 

⑤データのセキュリティを強化できる

データのセキュリティ強化につながるという点も、データマネジメントを行うメリットの一つです。

組織内の情報を一元管理することで、サイロ化(情報が孤立して共有できていない状態)を防止することができます

ユーザーのアクセス権を管理したり、アクセス履歴を確認したりできるため、データの改ざんや流出といったリスクが低下します。

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データマネジメントが失敗する原因

実際に導入したものの、データマネジメントが上手く定着しなかったというケースもあります。

データマネジメントの取り組みが失敗してしまう原因は、一体何なのでしょうか。

実際に起こった失敗例をいくつかご紹介します。

 

 【失敗①】システム環境やデータにまとまりがない 

 【失敗②】組織全体がデータ活用に慣れていない 

 【失敗③】データマネジメントを推進できる人材の不足 

 

【失敗①】システム環境やデータにまとまりがない

部門間の連携が取れていない場合、共通の課題を抱えていても対応がスムーズに行えない可能性があります。

他部署と連携が取れないままにデータマネジメントを推し進めようとすると、プロジェクトが頓挫してしまうケースもあります。

システムやデータが部門をまたいで散在している場合に多く見られるケースであり、統合的なデータ活用の実現は難しいといえるでしょう。

データマネジメントを導入する際には、組織全体に周知を行い、協力体制を築くことが大切です。

 

【失敗②】組織全体がデータ活用に慣れていない

経営陣だけがデータ活用を目指しても、従業員が協力体制にないとデータマネジメントは浸透しません。

膨大な量のデータは、活用すれば組織の重要な資産になりますが、蓄積するだけでは役立てることは難しいといえます。

データマネジメントを導入する際には、従業員に対し、データの活用方法をレクチャーする必要があります

サポート体制を十分に整えた上で、蓄積したデータをどのようにビジネスに活用していくのか、担当者をはじめとした技術者が指導を行いましょう。

 

【失敗③】データマネジメントを推進できる人材の不足

外部のシステムやサービスを利用してデータマネジメントを導入しても、推進できる人材が不足しているとデータ活用が行えない可能性があります。

データ活用を組織に浸透させるためにも、専門性の高い人材を確保しておくと良いでしょう

外部機関を頼る場合は、システムやサービスの導入に加えて、サポート体制が充実していることが理想です。

長期的にデータマネジメントを運用していきたいのであれば、人材の確保や育成にも力を入れましょう。

 

データベース構築について詳しく知りたいという方は、下記ページをご覧ください。

関連ページ:データベース構築にはいくらかかる?費用相場やコストを抑える方法について解説

 

 

データマネジメントを成功させるポイント

データマネジメントの導入を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

今後、導入を検討しているという方は、成功させるポイントをしっかりと押さえておきましょう。

 

スモールスタートを目指す 

データの品質を維持する 

定期的に改善・アップデートする 

 

■スモールスタートを目指す

データマネジメントを導入する際には、スモールスタートを目指しましょう。

複数の領域でデータマネジメントを同時に進めると、従業員が混乱してしまう可能性があります。

時間とコストを消費するだけで、プロジェクトが途中で頓挫してしまうケースもあるので、小規模な領域から着手することが理想です。

各領域のうち課題解決の優先度が高い領域を探し出して取りかかり、組織全体にデータマネジメントへの理解を浸透させることが大切です。

 

■データの品質を維持する

データマネジメントでは、データの品質を維持することも大切です。

データの信頼性が低下してしまうと、活用しても正しい結果が得られなくなってしまいます。

品質を維持するためにも、基準となる以下の項目を定期的にチェックして、データに問題があればシステムの改善を行いましょう。

 

妥当性:データが正しい前提で提示されているか

完全性:必要なデータが揃っているか

一貫性:データ同士に矛盾はないか

正確性:データの内容に誤りはないか

適時性:データが適当なタイミングで収集・使用されているか

 

■定期的に改善・アップデートする

データマネジメントは一度実施して終わりではなく、継続的に運用されることから、適宜改善やアップデートを行う必要があります。

システムを導入するだけでは、データ活用は促進されません。

問題が起これば改善を行い、アップデートによって性能を高めることで、組織内にデータ活用を行う習慣が根付きます。

デジタル技術は日々進歩しているため、セキュリティを強化し続けなければ、データ漏洩のようなリスクにさらされる危険性もあります。

データマネジメントを安全に運用できるように、定期的にシステムの見直しを行いましょう。

 

 

データマネジメントの進め方

データマネジメントは、以下のステップに沿って進めましょう。

 

①目標設定・計画立案

②管理モデルの設計

③システムの構築・ツールの導入

④運用開始

 

経営戦略や業務要件に合わせて、データ活用の目標設定や計画立案を行います。

現状のデータの管理状況や状態を把握した上で、どのように活用するのか、どのように役立てるのかを具体的に考えましょう。

次に、データマネジメントの設計を行い、システム構築やツールの導入を行い、基盤を整えます。

BIツールのような外部サービスを利用すると、スムーズに進めることができるでしょう。

運用を開始した後にも適宜アップデートを行い、システムやルールの改善を怠らないようにしてください。

 

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データマネジメントを行う上での注意点

データマネジメントをスムーズに導入して組織に定着させるためには、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。

最後に、データマネジメントを行う上での注意点をいくつかご紹介します。

 

目的を明確に設定する 

組織全体のデータリテラシーを向上させる 

 

■目的を明確に設定する

スムーズにデータマネジメントを導入するためにも、事前に目的を設定しておく必要があります。

ゴールが決まっていないと、せっかく新たな取り組みを始めても失敗してしまう可能性があります。

データ管理を目的とするのではなく、「どのようにデータを活用したいのか」を決めておきましょう

 

■組織全体のデータリテラシーを向上させる

データマネジメントを行う上で、組織全体のデータリテラシーを向上させることも大切です。

従業員全員に「データ活用を行う文化」が定着していないと、データマネジメントを導入しても無駄になってしまいます。

データマネジメントを導入する際には、蓄積したデータを業務にどのように役立てるのか、どのように利益につなげていくのか、社内方針を決めて共有しておきましょう。

データを安全に取り扱うためにも、データマネジメントの担当者だけでなく、組織全体のデータリテラシーを向上させておく必要があります

 

 

まとめ

AIやデジタル技術が進化した近年、企業は膨大な量のデータを簡単に収集できるようになりました。

ビジネスのさらなる発展を目指したい、組織のさらなる成長を目指したいという方は、データ活用の一歩としてデータマネジメントの導入を検討しましょう。

データマネジメントの導入は、株式会社ユニリタプラスへお任せください。

企業様のご要望に沿って、必要なサービスやツールをご紹介いたします。

導入に際するサポートはもちろん、コンサルティングサービスもご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。

 

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