株式会社インフォセンス様

 

株式会社インフォセンス

1989年に総合物流企業の山九株式会社(以下、山九)の100%出資により発足した株式会社インフォセンス(以下、インフォセンス)。山九グループの情報システム業務を通じて蓄積した高度な技術とノウハウを活かし、顧客のビジネスプロセス改革からITシステムの構築、運用・保守までをトータルで提供しています。


今回、インフォセンスが構築・運用する山九グループの統合ID管理基盤に運用自動化ツールA-AUTO(エーオート)が採用されました。採用に至るまでの背景や採用となった決め手などについてISS事業本部ITインフラソリューション部 部長の安東 史典氏、同部マネージャーの永浦 秀敏氏にお話しを伺いました。

 

A-AUTOロゴ_l

 

導入メリット

・ID情報の更新において、リアルタイム性の向上に貢献
・社内で既に使い勝手の良さに定評があり、基幹システム運用自動化に特化した機能が豊富
・さらなる利活用に対応できる応用力、提案力への期待

 

10,000人のアカウント情報をよりリアルタイムに更新

 

Sankyu-Global Information Platform Service(以下、S-GIPS)は、10,000人以上に及ぶ、山九グループの社員1人ひとりのユーザアカウントと、世界11ヶ国で個別に管理されている業務システムを一元管理する統合ID管理基盤です。ユーザは世界中のどこに居てもネットワークがあればS-GIPSにログインするだけでメールやワークフロー、ドキュメント管理など様々な業務を行うことができます。インフォセンスは、この統合ID管理基盤を構築、同基盤の自動化ツールとしてユニリタのA-AUTOを採用しています。

安東様_UNI2

株式会社インフォセンス
ISS事業部 ITインフラソリューション部
部長 安東 史典氏

 

10,000人以上の社員を抱える山九グループにとっては、社員一人ひとりの入社や退社の管理、さらには業務内容に沿った各システムにおける社員のアクセス権限等の割当ては容易なものではありません。実に100種類を超える業務システムがある山九グループでは、一人ひとりの社員の入社や部署移動、退職に合わせて、各システムのユーザ情報を更新する必要があります。現在、社員IDと業務システムを一括で管理するS-GIPSでは、社員の入退職情報を人事給与システムから抽出されるCSV形式のデータと照合して更新し、各システムに反映しています。A-AUTOは人事給与システムから受け取ったデータと、世界11か国に展開されている多様な業務システムで保持する社員データとを照合し、最新の情報に更新するシーンで活躍をしています。S-GIPSには、A-AUTOの当時の最新バージョンであるVer7.1が採用されました。最新バージョンが採用されたポイントは、クライアントのWeb化対応でした。

「A-AUTOのVer7.1を使い始めてから活用し始めたのがイベント連携機能でした。ユニリタの担当者の方から、よりリアルタイムな更新情報の収集が可能になるとのことで勧められました」(永浦氏)。

「これまでは12時間に1度しか社員情報の更新ができていませんでしたが、A-AUTOの導入により、3時間に1度の更新が可能となり、リアルタイム性が高まっています。最終的にはA-AUTOのイベント連携機能など、多彩な起動条件機能を活用し、限りなくリアルタイムな連携も可能になっていくのではと期待しています」(安東氏)。

A-AUTOは頻繁に発生するID情報の更新において、リアルタイム性の向上に貢献しています。

 

株式会社インフォセンス様_概要図

 

 

ダウンサイジングに際して、メインフレーム版A-AUTO時代の運用ノウハウを活用

 

山九グループのシステムにA-AUTOが採用されたのは今回が初めてではありませんでした。

「山九の国内・海外それぞれの物流や会計などの基幹システムでメインフレーム版のA-AUTOが採用されていました。当時から、A-AUTOは運用自動化ツールとして定評があり、その後の2000年対応でダウンサイジングを行った際にもオープン版のA-AUTO for UNIXを採用しました。ダウンサイジングの際にA-AUTOを選んだ理由のひとつに使い勝手の良さもありましたが、統合監視ツールの機能の一部としてジョブスケジューラを提供する製品がたくさんある中、A-AUTOは、ダミージョブ※1やリカバリジョブ※2、リラン※3など基幹システム運用の自動化に特化した機能が豊富で、多様な業務システムを管理する情報システム部門としてやりたいことがすべて実現できると確信したためです」(安東氏)。

「山九グループの情報システム業務を支えるインフォセンスにとって、会計システムだけでも一日当たり1,000を超えるジョブ数と20ものスケジュールパターンがあり、非常に複雑なため、ネットワーク構成やフローを変更することなく移行し、ダウンサイジング後も安定した運用を実現することは使命です」(安東氏)実際、移行後もメインフレーム版A-AUTOで行ってきたことがすべて実現でき、オープン環境での運用も滞りなく行えたそうです。

 ※1 ダミージョブ:実行されない仮想(ダミー)のジョブです。
 ※2 リカバリジョブ:指定した先行ジョブが異常終了した場合に実行するジョブです。先行ジョブが正常終了した場合には実行されません。
 ※3 リラン:異常終了後の再実行において、ネットワーク属性を変更したり、一部のジョブのみを実行させたりすることができます。

 

サーバ統合によるコストメリットの最大化に貢献

永浦様_UNI2

株式会社インフォセンス ISS事業部
ITインフラソリューション部
マネージャー 永浦 秀敏氏

 

約5年間に及ぶダウンサイジングが完了し、オープン版のA-AUTOが安定稼働し始めると、次に課題となったのが増え続けるサーバを集約するための統合でした。A-AUTOはこの時も自動化ツールとして採用されました。

「A-AUTOはOS単位ではなく筐体のコア数単位での課金のため、特に仮想化を進める中で保守費用を下げることができたと実感しています。山九では、先述の物流システムと会計システムなどを同じ筐体で運用し、それぞれを冗長化していますが、仮想化・統合化するお客様にとって、A-AUTOの課金体系はコスト面での統合効果が大きく出せると思います。仮想化によりシステム間連携も容易にでき、同じ筐体内で物流システムから会計システムへ情報を投げる際の処理速度は、ネットワークを介さずにできるので統合前よりも格段に上がっています」(永浦氏)。

 

 

A-AUTO禁止令で担当者の意識を変革

 

今「そういえば、ダウンサイジングの際にA-AUTO禁止令が敷かれ、1年間ほど手でジョブを動かしていた時期がありましたね。運用が自動化ツール頼りになってしまうことによるシステムのブラックボックス化に対する懸念のほか、ネットワーク構成やフローをしっかりと理解できていないことによるトラブルが頻発した時期があったため、このような措置がとられました。ジョブを手で動かすことで、ジョブの流れが理解でき、障害時のジョブのリカバリを自分たちの手で行えるという自信がつきました」(永浦氏)。

このほか、運用自動化ツールは人為的ミスによるトラブルを防ぐためでなく、より効率的なシステムを構築するためのツールとして有効活用するように意識が変わっていったそうです。

 

自動化ツールとしての役割を超えて

 

当初、基幹システムのバッチの自動化を目的に、山九のメインフレームに採用されたA-AUTOは、人為的ミスによるトラブルを防ぎ、煩雑な処理を自動で流すためだけでなく、仮想化による統合や、リアルタイムな情報を取得するために活用されるなど、業務効率化に留まらず企業の戦略的な事業展開に関わって活用されています。

「今後は、散在する各種物流関係のシステムの一本化を進めて行く予定です。その中ではツールに対しての運用担当者の意識改革も必要ですし、ユニリタさんには『こんな展開と活用ができますよ』といった提案を期待しています」(安東氏)。

A-AUTOは、これからもインフォセンスを通じ、山九グループの基幹業務システムにおける運用自動化を支えるスタンダードツールとしてお役に立っていきたいと思います。



山九株式会社様

▼Corporate Data

社名:山九株式会社

事業内容:物流、機工サービス

設立:1918年10月

URLhttp://www.sankyu.co.jp/

 

 

株式会社インフォセンス様

▼Corporate Data

社名:株式会社インフォセンス

事業内容:
・物流システムの構築、運用保守に関する業務
・インフラ環境構築支援、システム
・インテグレーション、コンサルテーションに関する業務

設立:1989年5月

URLhttp://www.info-sense.co.jp/