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四国電力株式会社

香川県高松市に本社を置く四国電力株式会社(以下、四国電力)。主に四国地域を基盤として、エネルギーを中心に人々の生活に関わるさまざまなサービスを高い品質で提供し続け、快適・安全・安心な暮らしの実現と、地域の発展に貢献することを使命に事業を展開しています。今回、四国電力の発電所の保全管理システム再構築に伴うジョブ管理システムの見直しに際し、A-AUTO(エーオート)が採用されました。


採用の決め手や導入効果について、四国電力情報システム部の濱上輝之氏、木村直樹氏、大神百合絵氏と、四国電力から委託を受けて情報システムの開発・運用・保守などの実務と、通信サービスの提供などを手掛ける株式会社STNet(以下、STNet)の今井重孝氏、家高理志氏 にお話を伺いました。

 

A-AUTOロゴ_l

 

課題

・既存システムではシステムリソースを多く使用するため、CPUやメモリの圧迫に加えて、ジョブ登録時の操作性にも影響を及ぼしていた
・ジョブのチューニングはジョブ実行の当日でなければ修正できなかったため、深夜対応を行っていた
・保全管理システムの再構築に伴い、ジョブ管理システムのOS変更が必要となり、ライセンスを買い直さなければならない

解決策

・保全管理システムの再構築に伴い、新しいジョブ管理システムとして「A-AUTO」を導入

導入効果

・CPUやメモリが圧迫されなくなった分、リソースに余裕ができて他のサーバーにそのリソースを割り振れるようになり、別システムの安定稼働にもつながった
・事前に翌日以降のジョブをチューニングできるようになり、深夜対応に要する時間を短縮できた
・副次的な効果として、既存システムでジョブとジョブの間にあった約30秒のタイムラグが無くなり、夜間のメイン処理の所要時間が1/2に短縮できた

 

 

◆課題◆
コスト面とCPUやメモリの圧迫状況から、ジョブ管理システムの見直しの必要性に迫られていた

 

四国電力は、2018年頃より、発電所の保全管理システムの再構築に向けた対応を進めており、その一環として、かねてから運用面で課題のあったジョブ管理システムについても見直しを行うことにしたのです。

0708_046「保全管理システムの安定稼働を図るため、運用系システムを同じメインフレーム上のサーバーに導入していましたが、保全管理システムの再構築に伴い、IAサーバーに移行する必要がありました。また、以前よりジョブ管理システムのライセンスや保守費用が高額であるという課題もあったために、IAサーバーへの移行に合わせジョブ管理システムをともに刷新しようという流れになったのです」(大神氏)

四国電力から委託を受けてシステムの運用実務に関わるSTNetも、もともとジョブ管理システムの見直しの必要性を感じていたといいます。

「以前利用していたジョブ管理システムは、ソフトウェアの保守サポート切れに伴い、バージョンアップを考えなければいけない時期に差し掛かっていました。しかし、従来のものをバージョンアップするとなると、どんどん使用リソースが増えてしまいます。ただでさえCPUやメモリを圧迫してサーバー全体のチューニングがしづらくなっていた上に、ブラウザ環境でジョブを登録する際の操作性も悪化していました。そのため、リソースを抑えられて、かつ今まで通りの運用ができるジョブ管理システムへの切り替えが必要だと感じていたのです」(今井氏)0708_022

ジョブ管理システムの再構築は、保全管理システムを再構築する2025年を目途に進める予定でした。しかし、2022年から大規模な案件が重なって発生することや、ジョブ管理システムの保守サポートが切れるタイミングを考慮して、2021年度中には再構築を終えられるようスケジュールを組んでプロジェクトを進めることにしたのです。以前のジョブ管理システムは2006年から利用していたため、この変更は思い切った決断でした。

 

 

◆解決策◆
「A-AUTO」は十分な機能があり、コスト面でもメリットが大きかった

 

ジョブ管理システムの再構築に伴い、四国電力とSTNetは3つのソフトウェアを軸に比較検討を行いました。

「これまでのジョブ管理システムで、特にできなくて困ることがあったわけではなかったんですね。そのため、検討の際に要件となったのは以下の4つでした。

① これまで同様のジョブ管理ができること
② 運用ノウハウがあること
③ 性能要件を満たしていること
④ ライセンス、保守費用が安価であること

これらを考慮して新システムの検討を進めました」(大神氏)

結果的にA-AUTOの導入を決めたのは、選定条件を満たしていたことはもちろん、すでに社内で導入実績があったことが大きかったといいます。0708_023

「四国電力内で、メインフレームのジョブ管理や一部のサーバーシステムのジョブ管理の用途で、A-AUTOの導入実績があったんです。そのため運用ノウハウも蓄積されていましたし、その点でA-AUTOが一番適しているのではないかという判断になりました」(濱上氏)

一方、細やかな機能面でもA-AUTOに優位性がありました。

「候補に挙がっていた他のジョブ管理システムでは、サイクルジョブの管理が難しかったり、日ごとのスケジュール管理が難しかったりと、機能面で少し物足りないところがあったんです。一方、A-AUTOは欲しい機能をすべて満たしていました」(今井氏)

さらに、決め手となったのが費用面です。他のジョブ管理システムの中には、OSが変更になるとライセンスを買い直さなければいけないものもありますが、A-AUTOの場合は一度購入すればOSが変更になってもライセンスを使い続けられる仕組みでした。そのため、長期間の利用を考えた際に、コスト面で大きなメリットがあったのです。

こうして、機能・価格・実績がすべて要件に見合い、A-AUTOの導入を決めました。

四国電力は、メインフレーム系のシステムとオープン系のシステムがあったり、OSも多種多様だったり、SAPと連携していたりと、他社と比べても複雑なシステム環境にあります。そのため、通常なら移行に時間を要するところですが、慣れたシステムだったこともあり、移行作業は想像以上にスムーズに進みました。

「これまで20~30サーバーを対象にジョブの管理を行っていたので、既存のジョブを動かしつつ各サーバーのエージェントを切り替えていく作業は、非常に大変で慎重さが求められました。しかし、四国電力とSTNet にはA-AUTOを長年使ってきて蓄積された運用ノウハウがあったため、移行も思いのほかスムーズだったんです。未知の新システムへの移行というより、むしろ慣れたシステムの運用に揃えていくようなイメージで、素早く作業が完了しました。ジョブ登録のGUIも 普段見慣れているものだったため、移行後のチェックもスムーズでした。データの移行に際しては、ユニリタプラスが移行手順を資料にまとめてくれたり、頻繁にコミュニケーションを取りながらサポートしてくれたりしたおかげで、スムーズに作業ができて助かりました」(今井氏)

ジョブ管理システムの環境構築後、実際にジョブ管理システムを24時間体制で監視するのは、STNetの監視センターの役割です。普段、新しいシステムを導入した際には、STNetの構築担当者から監視センターへの運用引継にかなり時間を要していましたが、監視センターもA-AUTOの運用には慣れていたため、今回は引き継ぎに時間が掛かることもありませんでした。

 

 

◆導入効果◆
ジョブ管理業務の効率化に成功

 

A-AUTO導入後はジョブがスムーズに実行されるようになり、実務に関わるSTNetのスタッフは特に、作業効率化の効果を実感しています。

「順番にジョブが流れていくのですが、以前は前のジョブが終わったのを検知してから次のジョブを実行するまでに30秒ほどのタイムラグがあったんです。しかし、A-AUTOではそのタイムラグがありません。300~400本ほどが流れている夜間バッチのタイムラグが無くなったことで、全ジョブの処理時間が40分から20分に短縮できました。さらに、メモリやCPUのリソースを消費しがちだったシステムからA-AUTOに切り替えたことで、リソースに余裕ができて他のサーバーにそのリソースを割り振ることができるようになり、別のシステムの安定稼働にもつながっています」(今井氏)

さらに、以前のシステムではできなかった、事前に「翌日以降のジョブをホールド状態にしておく」といったチューニング操作も可能に。これにより、深夜作業に係る時間を短縮することができるようになるなど、副次的な効果も生まれています。

「これまで10年以上、毎回10数本のジョブをホールドしながら作業を実施していたのですが、これを機にジョブ全体のフロー見直しを行い、止めたいジョブを集約してホールドする追加ジョブを用意して、より効率的に作業できるように体制を整えました。A-AUTOの導入は、こうした業務改善の良い機会にもなったんです」(今井氏)

0708_021一方、四国電力側はコスト面での大きなメリットを実感しています。

「以前のシステムで新しい環境に移行した場合と比べると、ライセンス費用が5年間で総額500万円ほど削減できる見込みになっています。 これほどのコストメリットが出ているので、2025年を待たずに移行を迅速に実施してよかったと思っています。費用を抑えながらも、理想的な運用環境を整えることができました」(大神氏)

 

 

◆今後の展開◆
オンプレミスとクラウドを連携したジョブ実行・管理などでも、「A-AUTO」活用に期待

 

今後の運用展開について、四国電力は「オンプレミスのシステムとクラウドのシステムが混在するような環境においても、A-AUTOが積極的に活用できるのでは」と考えています。

「電気料金計算システムなど、社内の他のシステムと密接なデータ連携が必要なものや、安定性や信頼性の面でセキュリティを自社で統制すべきものについては、オンプレミスのシステム利用を前提としています。一方、たとえばAIなど機能面でオンプレミスでは実現困難なことを行いたい場合や、システムを迅速に構築しなければならない場合などでは、適材適所でクラウドを選択していきたいと考えています。このようにオンプレミスとクラウドを連携してジョブの実行・管理を行うシーンは今後、増えていくと思われますので、そこでもA-AUTOを活用できるのではないかと期待しています」(大神氏)

STNetも、四国電力の要望や構想に寄り添いながら、引き続き低コストかつ安定的な運用を目指したいといいます。こうした構想を持つ四国電力やSTNetに対して、今後もユニリタプラスとしては、IT関連の最新情報の提供やシステム構成に沿った最適な製品の提案を行いながら支援を続けていきます。


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▼Corporate Data

社名:四国電力株式会社

事業内容:電気事業

設立:1951年5月1日

従業員数:2,382名(2022年8月1日時点)

URLhttps://www.yonden.co.jp/