技術者視点で考えるノートパソコンの選び方 ~IntelCPU編~ Part1 - 基礎

技術者視点で考えるノートパソコンの選び方 ~IntelCPU編~

 

みなさんこんにちは、「ITユニプラ」編集部です。

皆さんはノートパソコンを購入する際に、どのような基準で選定していますか?

軽さやバッテリー、インターフェースの数、価格、ブランド、デザインなど様々だと思います。

 

今回は、そんなノートパソコンの選び方について技術的な観点で気にしているポイント等記事にしました。

皆さんの参考になれば嬉しいです。

目次

  1. ノートパソコンはメーカーの差が出やすい
  2. 今回は、ぱっと見ではわかりにくいCPUに注目
  3. CPUが重要な理由
  4. CPUのスペックシートから見える事
  5. CPUの見えないスペック

①ノートパソコンはメーカーの差が出やすい

ノートパソコンはメーカーの差が出やすい

ノートパソコンは、液晶画面やキーボード、WEBカメラ、スピーカーなど様々なパーツを薄いボディーに詰め込んでいるため、デスクトップパソコンに比べ、各メーカーの違いが出やすくなっています。


しかし、それらはスペックシートからは読み取れない事もあり、
実際に使用してみないと分からず、詳細なレビューを待つしか無いのが現状です。

 

②今回は、ぱっと見ではわかりにくいCPUに注目

今回は、ぱっと見ではわかりにくいCPUに注目

ノートパソコンを選定するための項目はいくつもありますが、今回はCPUに注目したいと思います。


ビジネス向けのCPUと言えばIntelを思い浮かべる方が多いのでは無いでしょうか。

 

業務で使うパソコンのほとんどはIntelのCPUが搭載されているかと思いますが、個人向けパソコン市場ではAMDとIntelの競争が近年激化して盛り上がっています。


今回はビジネス向けノートパソコンの選定という事で、Intelのモバイル向けCPUに絞ってお話しします。

③CPUが重要な理由

CPUが重要な理由

パソコンにおけるCPUは、車でいうエンジンにあたります。

そう、私はエンジンを見ましょうと言っているのです。


これを聞くと、どの車も必要十分に走ると思われるでしょう。

しかし、車も仕事で使うとなるとエンジンは重要なパーツだと思います。


「高速道路での加速が違う。」「坂道でアクセルを踏み込まなくても登る」等の違いがあります。CPUも同じです。


ですが車と違いCPUは各社で開発しておらず、IntelかAMDのCPUを使っているため、違いなんてあるの?
と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

④CPUのスペックシートから見える事

CPUのスペックシートから見える事

まずはIntelが公表している情報から分かる事を見ていきます。

近年CPUの型番表記方法が変更になったので、そこから説明していきます。

 

以前、モバイルパソコン向けCPUは、

  • 処理性能重視型の「H/HK」
  • 性能と省電力性のバランスを重視した一般ノート向けの「U」
  • 超省電力のモバイルパソコン向けの「Y」

の3つのカテゴリーがありました。

「Core i7-10510U」や「Corei 7-10510Y」のように、最後についている「U」「Y」などとアルファベット表記でCPUのカテゴリーを判別していました。

 

Intelが2019年夏に発表したモバイルパソコン向け「第10世代Coreプロセッサ」(開発コードネーム:Ice Lake)から、CPUの型番の表記が変わり、

以前は「U」「Y」等で判断していたところが、カテゴリーを「Core  i7-1165G7」や「Core i7-1160G7」のように「5」「0」などと数字で表記するように変わり、ぱっと見では分かりにくくなったので注意が必要です。

※末尾の「G7」はグラフィック性能を表している。

 

さて、2021年度にモバイル向けの比較的ハイスペックのノートパソコンを買うと以下※1のCPUが搭載されているかと思います。

もしかすると、パソコンを注文する際に細かい型番まで伝えず、「Core i7」でと発注しているかもしれません。

同じ「Core i7」でも「vPro」という機能の有無で金額が大きく違うため、必要な企業は意識して注文していると思いますが、「vPro」を使用していない場合は、非対応のCPUの方がお得な場合があります。

 

以下はスペックシートから分かる情報です。

基本的に数値が大きいほど性能が上と考えて頂いて構いません。

※1 詳しい見方は以下のサイトで丁寧に説明されていましたので、そちらをご覧ください。

Core i7-1165G7

(1.2G/2.8G~4.7G/4.1GHz、4コア8スレッド、12MBキャッシュ)

Core i7-1185G7

(1.2G/3G~4.8G/4.3GHz、4コア8スレッド、12MBキャッシュ)※vPro対応

 

【おすすめサイト】「NIKKEI STYLE」パソコン選びで大切なCPU 性能はここを見れば分かる

 

⑤CPUの見えないスペック

CPUの見えないスペック

では、同じCPUを搭載したパソコンは同じ処理能力なのでしょうか?

 

答えはNOです。


もちろんメモリやディスクにも影響されるのですが、実はメーカーのコンセプトや、設計により大きく変わるのです。
同じCPUでもパソコンのバッテリ駆動時間が異なるのはそのためです。

※CPU以外にも理由はたくさんあります。



前述したCPUのスペックは、Intelが公表している基本的なスペックです。
そのCPUに80%の仕事をさせるのか、120%の仕事をさせるのか。それをメーカーは決める事ができるのです。

CPUの性能を規定する要素は、「CPUコアのアーキテクチャ」と「クロック周波数」です。これはスペックシートから見る事ができます。


しかし、モバイルパソコン向けCPUとしては、「消費電力」という要素が加わり、それに伴い発生する熱を放熱するための「熱設計」が重要となります。

この「消費電力」と「熱設計」が、CPUのスペックシートからは分からないメーカーのチューニングの1つとなります。

次回は「消費電力」と「熱設計」について説明します。

 

ContactUS