RPAとは?これまでとこれから

RPAとは?これまでとこれから今回は、RPAについてまとめてみました。
RPAのできること、そして今に至るまでの流行について追っていきます。

RPAとは「robotic process automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」のこと。
今となってはIT業界だけでなく、事業部門からもよく聞く言葉の一つになったかと思います。
いろんな業務で使われだしているということですね。
とはいえ、まだまだこれからも活用、発展していく技術だと思いますので、今回はこのRPAについて編集部が学んできたことを紹介したいと思います。

みなさんこんにちは、「ITユニプラ」編集部です。

ユニリタプラスでは、

「お客様の「サクセスパートナー」になることをコンセプトに、
最新のお客様トレンドや、いまさら聞けないIT用語に関する情報などを
掲載するメディア「ITユニプラ」を2021年4月から始めました。
本メディア「ITユニプラ」はコンセプトの
IT」に関わる人に、「人=ユニークな」を
足して新しい価値を創造できないかということをモットーに命名しました。

IT・・・IT技術、トレンド
ユニ・・・人=ユニークな
プラ・・・プラス、新しい価値

RPAとは、何が画期的だったのか?

RPAとは、何が画期的だったのか?なぜこんなにRPAというツールが浸透したのかを振り返ってみました。
RPAが登場するまでは、基本的には、開発者がプログラミングやアプリケーションのAPI※1などの専門知識を使って処理を構築しなければいけませんでした。

しかしRPAでは、画面操作をそのまま処理として構築することができるようになりました。
ということは、パソコンが扱えれば誰でも処理が作れてしまう!!

これは便利ですよね!
毎日ある事務処理や、同じ操作を繰り返す入力処理などで使える技術です。

と少し話は長くなりましたが、簡単にいうと日々パソコンでやっている仕事をそのままロボットに覚えさせ、自分の代わりに実行してくれる。
それがRPAです。

これからのRPAについて

これからのRPAについて

昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れに合わせて、現場の働き方改革といえばRPA!!という経営層からのミッションが事業部門の管理職、そこからシステム部門へと、話が引き継がれていくという事例をよく聞きます。

DXでは、業務で生まれたデータを活用した効率化や新しい価値の創造が求められます。

DXについては、また次回まとめてみたいと思いますので、お待ちください。

しかし、RPAは働き方改革を支援する「手段」の一つであり、課題や既存の業務をどのように効率化するかは、人に考えることを求められます。
これがRPAの本来のあるべき使われ方になるのだと思います。

ロボットを作ることを先行した結果、使われずに放置された野良ロボットなんて言葉も登場して予期せぬ動きをしたり・・・
結果、仕事が増えてしまい本末転倒になるなんて話も聞いたことがあります。

そうです!!ここがミソなんです!!人が考え、どう使っていくかを吟味して
そしてRPAを使っていく!!RPAだけでは幸せになれないです。
試行錯誤、苦労があっての産物、それがRPAなんじゃないかと思います。

RPAを振り返る5年間

RPAを振り返る5年間RPAという話題が出てきたのはここ5年くらいのこと。
そこで日本でのサービス拡大の遍歴とともにRPAについて振り返ってみました。

それでは5年前の2017年から。

2017年 現場部門でも使える、デスクトップ型RPAの展開

日本ではRPA元年という年になるのでは。
過去から、PCのブラウザ動作を自動化するツールというものは存在していました。
そのなかで、「働き方改革」というワードが徐々に広がりました。
この年は、クライアント型RPAのWinActorBizRoboの2製品を金融系企業や大手企業が率先してPOC※2を開始し、
実際に使えるものなのかどうかを検討し始めていました。

2017年ごろは、大企業が試していく動きにとどまり、
とりあえず入れて使ってみようというようなライトなイメージはなく、本当に使えるのか、費用対効果が出るのか疑問もあり、普及は進んでいませんでした。

2018年 個人で作り出したRPAは属人化の温床に

個人で作り出したRPAは、属人化の温床であることが浮き彫りになり、「業務プロセスの管理は必要」という流れがサーバ型RPAツールの利用拡大に繋がった年だったと記憶しています。

2018年に成立された「働き方改革法案」の後押しもあり、各企業の経営層では、RPAというワードが飛び交う時期に入りました。

ユーザ部門でも、定型業務という部分で経理、総務部門では、効率化も期待できるということから、導入が進みました。
しかし、同時に以下のような課題も生まれました。

 

  1. ① RPAが止まった時にシステム部門に問い合わせが来てしまう
  2. ② どこでどれだけのRPAが動いているのかわからない
  3. ③ 同じ業務の横展開ができない
  4.  
デスクトップ型で個人がRPAの作成を進められたことから出てきた課題ですね。
そんな課題を解決する方法としてサーバ型RPAツールのニーズが出てきました。
ここで、話題になったツールがUiPathではないでしょうか。

『自動化には欠かせない、AI-OCRサービスへの注目』

早くからRPAを取り込んでいた企業では、RPAだけではすべてを自動化することが難しいことが顕著に出るようになりました。
そこで企業では周辺のツールと連携して自動化や効率化が何かできないか、検討を始めます。
このころRPAは、受発注や経理、お客様からの要望など、あらゆるデータをシステムに入力するところで使われだしたこともありRPAとの連携で注目されたのが、AI-OCRのサービスでした。

もともと、OCRという技術を使っている企業は多かったと思いますが、
このRPAの流れに合わせて、AIが手書き文字の傾向を勉強し、文字認識をするAI-OCRが業務の自動化という観点で、より効果が出るのではと注目されだしました。

特に、受発注業務のRPA効果を出すための後押しになったように思えます。

 

2019年 ハイブリッドでのRPA運用

2019年には、クライアント型、サーバ型それぞれのメリット/デメリットがわかるようになり、システム部門で管理する業務(基幹システム関連)などは一元管理ができるサーバ型、Excelの転記業務など、現場の簡単な反復作業にはクライアント型という形で、用途に合わせたすみ分けがされるようになったのではないかと思います。

 

『OEMや自社開発RPAツールの展開』

 

RPAツールの市場に関しては、海外製品の台頭だけでなく、
各ベンダー独自で作ったRPAツールが多く販売され始めました。

この時期に入ると価格競争が強まり、クライアント型、サーバ型のどちらも、サブスクリプション型のスモールスタートモデルもラインナップされ各ベンダーからの提案が進んでいきました。

 

2020年 身近になったRPAツール

Microsoft365の標準機能として、RPAツールの提供が開始された年です。
様々なツールが市場に出回る中で、現場ではRPAツールの検討、比較と合わせて、業務の効率化が求められだします。
そんなとき、Windows10を利用していれば、無償で使えてしまうMicrosoftのRPAツール[PowerAutomate]がリリースされました。

Microsoft社製の製品ということもあり、ExcelをはじめとするOffice製品との親和性もいいとのこと。
現場では「無償で使えるのであれば、これを使えばいいのでは」という考えも後押しされ、現在では、現場部門を主軸に展開が進んでいるようです。

2021年 これからのRPAを予想してみる

RPAは、サブスクリプション型やバンドル製品の一機能として導入がしやすくなったことと、使われ方が浸透しだしたことでRPAだけでは解決ができないという課題が顕著になってきています。

「RPAは使えない!」という判断をする企業、「周辺業務まで手を伸ばしてくれればRPAも使えるのに・・・」と感じている企業が増えてきています。
またOCR業務以外にもRPA周辺の業務効率化を実現できるような安価なクラウドサービスが出てき始めています。
ですが検討している現場の方々には、こういったサービスが届いていないのが状況をよく耳にします。

今後現場にも浸透していくであろうRPAですが、周辺の業務やシステムと連携強化されていくということは、RPAを主体とした処理が業務に与えるインパクトも大きくなっていくということではないかとも思います。

2021年のRPAは処理する範囲の拡大と管理の煩雑さが増え、セキュリティ面のリスク管理やガバナンスの強化が求められていくのではないかと予想します。
弊社でもお客様の声を聞き、予想されるであろうRPAの運用の強化に寄与できるサービスを検討していきたいと思います。

とはいえ、時間が流れてみないとどのように進化していくかはわからないのがIT技術。
今年はどのように進化していくのかどのような技術が生まれるのか楽しみです。
その進化にも人の考えが必ずあります。
今年、新たに生まれる課題や今まで解決できなかった課題をどのように乗り越えていくのか?
様々なところで成功体験や苦労話を聞けたらと思います。

 

RPAの概要と注釈

▼RPAの概要は、以下をご覧ください。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html
出典:総務省ホームページ

▼注釈
※1 API
アプリケーションプログラミングインターフェースの略。
ソフトウェアやサービスに処理の指示をするための命令がまとめられたものです。
APIはソフトウェアやサービスで用意されていて、例えばAPIが用意されているWebサービスで、マスタ情報を参照するAPIがあれば、そのAPIをプログラムに記述するだけで、Webサービスのマスタ情報をプログラムで利用することができます。
 
※2  POC
プルーフオブコンセプトの略。
「概念実証」という意味です。新しい概念や理論、原理、アイディアの実証を目的とした、
試作開発の前段階において、検証やデモンストレーションをすること。

 

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